好きなことは、いくら続けても――
つらく感じないものですよね。
タクシーの運転手さんで、こんな人がいるそうです。
来る日も来る日も仕事で運転をやっているのに、休みの日になっても、わざわざ遠くまでドライブに出かけていく――
大型連休のときなどには、宮城県から九州のほうにまで出かける、とか――
「せっかくの休みだっていうのに、よく行く気になるもんですよ」
同僚の運転手さんが、半ば呆れて笑います。
僕も同意して、
「毎日が運転ばかりで、苦にならないんですかね」
と申し上げると、
「やっぱり運転が心の底から好きなんでしょうね~」
と唸っておらました。
たしかに――
人は、好きなことなら、いくらでも続けられますよね。
多少のつらさなら、ものともしない――
僕も、そうですよ。
文章を書くのは好きなのです。
だから、いくらでも続けられます。
本当は、
(ああ、しんどいな~)
と思うこともあるのですよ。
が――
それくらいのつらさは、なぜか気にならない――
考えてみたら、不思議なことです。
なぜ好きなことは続くのか――
それを続けることが、まったくつらくないわけではないのですよ。
多少はつらい――
それでも、そのつらさを乗り越えようと思う――思ってしまう――
好きなことをやり続けることで得られる達成感というのがあります。
それを求めてのことでしょうか。
あるいは――
好きなことをやめることで襲ってくる後悔の念を避けてのことでしょうか。
よくはわかりません。
が――
後者の「後悔の念」のほうが、意外に大きな要因かもしれない、とは思っています。