マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「紙の束」で読みたいと思わせる

 電子書籍の波が押し寄せていますね。

 時代の流れです。
 誰にも押しとどめられません。

 今後、紙の書籍は、どんどんシェアを減らしていくでしょう。

 紙の書籍も電子書籍も、ともに文字などによる記号情報が詰まっているという点では、違いはありません。

 が――
 紙の書籍には、電子書籍にはない質感があります。

「紙の束」としての質感です。

 この質感が、紙の書籍に付加価値を与えているとみなすことができます。

 そのうちに――
「紙の束」としての質感を備えているべき書籍とそうでない書籍とに分別される日がくるでしょう。

 読者に「紙の束」で読みたいと思わせる書籍とそうでない書籍とです。

「紙の束」で読まれたがる書籍とは、どういう書籍でしょうか。

 おそらく、

 ――1回でも読んだら、もう十分――

 という類いの書籍ではありません。

 そういう書籍は、たぶん「紙の束」である必要はない――
 そうではなくて、

 ――何度でも繰り返し読んでいたい。

 とか、

 ――いつまでも身近に置いておきたい。

 とか――
 そういう書籍こそ「紙の束」であって欲しい――

 そうなると思います。