一見、道理に合わないことであっても――
それが本当に非難に値することかどうかは、確実にはわかりません。
真相を知れば、
――なんだ、そういうことか。
で済む話かもしれません。
一般に――
世事の真相は、たいていは複雑です。
少なくとも、すぐに「道理に合わない!」と喝破できるほどに底が浅いということはない――
にもかかわらず――
人は、その複雑な真相の断片をみて、
――道理に合わない! 許せん!
と非難をする――
そういう傾向が強いのです。
ですから――
僕は、
(ちょっと、これは道理に合わないな)
と思うことに出くわしても――
なるべく、そのまま受け流すことにしています。