自分の外見は、自分が一番わからないものです。
それは――
自分の外見を鏡などを用いずに自分の目で確かめることが困難だということをだけを意味するのではありません。
――外見
は他者の主観で彩られることによって初めて意味を成すものです。
自分の外見は、自分のものであるようで、実は、自分のものではありません。
自分のことを自分の周囲の人々が、どのようにみているのか――例えば、どのような環境にあって、どのような心理にあるのか――
そうした自分の周囲の人々の印象や直観、分析、解釈などが、自分の外見を構成します。
自分の周囲の人々の視点を抜きにしては、自分の外見を語ることはできないのです。
が――
他者の視点を獲得するこは、容易ではありません。
少なくとも、他者になりきって、他者の視点を通して自分をみるということは、原理的に不可能です。
ですから――
自分の外見は、自分が一番わからないのです。