人の顔の魅力というのは――
単に容貌がととのっているというだけでは不十分で――
その容貌から感じとれる心の内面に深みや奥行があって初めて十分なものとなりえます。
ただの美女や美男の顔には、大した魅力を感じとれないものです。
――え? この人、いま何を考えてるんだろう?
とか、
――この思わせぶりな眼差しは、本気なのかな?
とかと思わせてくれなければならない――
「だいたい、こんなことを考えてるんだろう」とか「あの眼差しは意図的なものに違いない」とかと見切ってしまったら――
その人の顔に親しみは感じとれるようになっているかもしれませんが――
いわゆる“美女・美男の魅力”は消えてなくなっています。
美女や美男というのは、そういう概念です。
裏を返すと――
真の美女や美男になろうと思ったら――
決して自分の心の内面を悟られてはいけない、ということですね。
……
……
なろうと思うものではありませんね、美女や美男には――