僕は仙台に住んでいるのですが――
宮城県民としては、大変に気になるニュースをみかけました。
宮城沖で、12月14日までの1ヶ月間に、マグニチュード7以上の余震の起こる確率は、約15%なのだそうです。
「余震」というのは――
もちろん、3月の東日本大震災の余震のことです。
気象庁の発表だそうですから――
相応に学術的な裏づけのある予測なのだと思います。
が、
――15%
といわれても――
困ってしまうのですよね。
どうにも理解しづらい――
「100分の15」は、だいたい「7分の1」ですから――
仮に、12月14日までの1ヶ月間を7回ほど繰り返し経過させることができたとしたら、そのうちの1回はマグニチュード7以上の余震が起こる、ということなのですが――
もちろん、このような理解は、ほぼ無意味です。
なぜならば――
僕らは、現実には、12月14日までの1ヶ月間を1回きりしか経験できないからです。
では――
この「15%」をどのように理解したらよいのかというと――
これが大問題です。
数学の確率論の基本に立ち返らなければならないでしょう。
それは、ひどく厄介なので――(笑
とりあえず――
僕は、次のように理解しています。
余震は、起こるか起こらないかのどちらかですよね。
よって――
もし一切の裏づけがない場合には、余震の起こる確率は50%とみなせます――
起こるのか起こらないのかの、2通りですからね。
にもかかわらず、「15%だ」といっているのです――50%の3分の1以下です。
よって、今回の気象庁の予測は、こんなふうに解釈できるでしょう。
――決して確信があるわけではないが、「マグニチュード7以上の余震が、12月14日までの1ヶ月間に、起こるのか起こらないのか」と訊かれたら、「どうも起こりそうにない」と答えてよさそうだ。
と――
簡単にいってしまえば、「たぶん起こらないと思う」ということです。
では――
もし、「15%」が「40%」であったら、どうか――
40%は50%と大差はないので、「いつ起こってもおかしくはない」となります。
では、「80%」であったら、どうか――
80%は50%を大きく上回っているので、「起こると思っておいたほうがよい」となります。
「15%」だけで考えるから、わからなくなります。
「50%」と比較することで、理解の手がかりが得られます。
ただし――
*
以上は、あくまで、
――学術的な裏付けに基づいているであろう気象庁の予測
への解釈です。
僕自身の直観は別です。
僕は「いつ起こってもおかしくはない」と思っています。
残念ながら――
地震の予測に関しては、学術的な裏づけを信じる気持ちになれません。
現代地震学は、3月11日の大地震を全く予測していなかったのですから――
挫折感と葛藤しながら今も地震学に携わっておられる方々には頭の下がる思いもいたしますが――
それが、偽らざる気持ちです。