世界には、言論の自由が保障されていない国というのが、たくさんあります。
そうした国々を指して、
――なんて野蛮な国なんだ。
と嘲弄していればよいかというと――
そうではなくて――
それらの国々に、なぜ言論の自由がもたらされていないのかを冷静に考えていく必要があります。
おそらく、そういう国の権力中枢にいる人たちの中にも、
――本当は自分たちの国にも言論の自由を実現させたい。
と思っている人たちは、少なからずいるはずなのですが――
国政の現状を考えたときに、その思いを実行することに躊躇せざるをえないのです。
言論の自由を許すことで、かえって国家の治安が乱れてしまう国というのは、残念ながら、実在するようですから――
日本に暮らしていると、つい誤解をしそうなのですが――
言論の自由というのは、そんなに自然で当然の社会原則ではありません。