いきなり本題に入る話し方を――
皆さんは、どう思われますか。
僕は、そういう話し方が好きなのです。
逆に、本題を後回しにする話し方が、好きではありません。
何となく臆病な――どことなく斜に構えているような――そんな印象を与えてしまうと思うのですよね。
ですから――
誰かと会って話を始めるときに――
相手が、まわりくどく副題から入ったりするのを感じると、
(あ~)
と思ってしまいます。
さらにいえば――
自分が、まわりくどく副題から入ったりするときは、もっと、
(あ~)
と思います。
自分でするほうが、相手にされるより、数段、気鬱なのです。
――そんなにイヤなら、本題から入ればいいじゃないか。
とお思いの向きもありましょう。
ええ――
できることなら、つねに、そうしたいものです。
が――
この国では、時と場合とによっては、どうしても本題から入れないときがあるのです。
いきなり本題に入ると、相手をビックリさせてしまう――不快にさせてしまう――本題が副題と誤解されてしまう――
そうしたもろもろの事情により、どうしても本題から入れないときがあるのです。
ですから――
この国で生きていく以上は、
(あ~)
と思って我慢をするしかないのですよね。