苦しいときは、
――この苦しみが終わるなら、どうなってもいい!
などと、つい思うものですが――
本当は、この言い草それ自体に深刻な矛盾が潜んでいるのですよね。
本当に「どうなってもいい」のなら、苦しみが続いてもよいはずで――
今の苦しみを何としても終わらせたいのなら、「どうなってもいい」は、嘘ですね。
だって、「この苦しみは終わってほしい」と願っている時点で、「どうなってもいい」はありえませんから――
でも――
本当に苦しいときは、人は、こうした矛盾にも、なかなか気づかないものです。
気づくなら、そんなには苦しんでいない――
ということでしょう。