理と情との接合――
ということを、よく考えます。
――理
というのは、人が扱う論理のことです。
――情
というのは、人に備わる感情のことです。
人の世を丸くおさめるのには、何よりも理が大切ですが――
情をないがしろにした理は、ときに人の世をひどく乱します。
情の情たるゆえん――理に非ずのところ――を十分に汲み取った上で、理を御していくことでしか――
人の世を丸くおさめることはできません。
理で情をないがしろにしてはいけない――
さりとて――
情で理を曲げてもいけない――
理と情との接合部は、明瞭なようで、不明瞭です。
どこからが理で、どこからが情であるかは、にわかには判じがたい――
人の世は、理と情との汽水域において、どうにか丸くおさまるものです。
「理」という名の河が「情」という名の海に流れ込む汽水域において――