30代の終盤を迎え、
――アマチュアの良さ
を思うようになりました。
20代の頃には、受け入れがたかった考えです。
「アマチュアの良さ」とは――
日常のバランス感覚をしぜんと研ぎ澄ませられる点にあるでしょう。
日々の生活の中で、生活の糧を得ることと活動に取り組むこととの調和をつねに考えるので――
喩えていうならば――
「日常」という名の画布に、大きく2つの円を描くことができる――
が――
プロは、そうはいきません。
日々の生活の中で、活動に取り組むことが生活の糧を得ることに直結しているからです。
つねに活動に取り組むことを第一に考えることになる――
それは、同時に生活の糧を得ることでもあるのです。
つまり――
「日常」という名の画布に、大きな大きな円をたった1つ描くことになる――
円が2つあれば、つねに見比べることができます。
1つしかなければ、見比べることはできません。
つねに見比べる機会があれば――
日常のバランス感覚を研ぎ澄ませるのには有利でしょう。
――これだけやっていればいいんだ!
と思ってやっていると――
人は、しぜんと過度にのめり込んでいきます。
その結果――
暮らしの調和を崩すことも珍しくはない――
が、
――これはやる! けど、あれもやらねば!
と思ってやっていると――
人は、意識をしなくても自制がきくようになるです。
調和を保った暮らし方が、しぜんと身に付くでしょう。