男性が女性を騙って書く――
あるいは――
女性が男性を騙って書く――
それが――
文芸の一つの極みだと思っています。
これ――
肝(きも)は、
――とにかく、バレないこと――
なのですね。
異性を騙っていることが読み手にすぐにわかってしまうようでは――
逆に――
これほど読みぐるしい文もないわけです(苦笑
男性が女性を騙るとき――
女性は、すぐ近くに実在をしています。
女性が男性を騙るときも――
男性は、すぐ近くに実在をしています。
ですから――
例えば、遠い異国の人物を騙るのや歴史上の人物を騙るのとは――
わけが違うのです。
本物が、そこらじゅうに溢れているということは――
騙る上では、大変な障壁なのですね――
だって――
強烈な比較対象に囲まれているということなのですから――
だからこそ――
極みたりうるのです。