自分だけが知っている自分のことを――
つい人前で話してしまう人がいて――
それは――
その人にとっては、どう考えても損なことだと思うのですが――
それでも――
つい話してしまう――
そんな人を――
時々みかけます。
……
……
なぜ話してしまうのでしょうね。
どうして黙っていることが、できないのでしょうか。
……
……
たぶん――
話さずにはいられないからだと思います。
黙っているのがツラくって――
早く話してしまってスッキリしたい――
しかも――
それは、他ならぬ自分のこと――
それを話して迷惑をこうむるのは――
たぶん自分だけ――
――それなら、さっさと話してしまおうよ。
そういう気持ちの流れになるのだと思います。
その証拠に――
そういう人は、自分だけが知っている他人のことは、そう簡単には話さないのですよね。
それを話せば自分以外の誰かが迷惑をこうむるとわかっていれば――
途端に口が堅くなるのです