マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

議論は、すりかえられてこそ

 大人は、子供に、

 ――議論をすりかえてはいけません。

 などという小言を――
 安易に用いるべきではありませんね。

 人の知的営みは、すべからく議論をすりかえることで発展してきたのですから――

 例えば、

 ――主観と客観との違いは何か。

 を、

 ――そもそも客観は定義されうるのか。

 とすりかえることで――
 人の主観や客観についての論考が進展したように――

 議論のすりかえは――
 本来、歓迎されるべきことなのです。

 ――議論は、すりかえられてこそ――

 のようなところがあります。

 ですから――
 子供が議論をすりかえたときに、大人が用いてもよい小言は、

 ――その議論のすりかえは、無益です――卑怯です。

 といったものでしょう。