さんざん文章を書いてきて――
(もうダメだ、書けん!)
と思って、ふて寝して――
それでも――
次の日の朝になったら――
また文章を書きたくなっているのですから――
僕は――
たぶん文章を書くのが本当に好きなのだと思います。
実をいえば――
新しい文章を書いている時よりも――
すでに書いた文章を推敲している時のほうが、好きです。
それは――
とりもなおさず――
推敲が、文章のリズムを整え、メロディを浮かび上がらせ、ハーモニーを醸し出す作業であるからです。
文章を推敲している時には――
僕は、その作業に、何がしか音楽の要素を感じとっています。
もちろん――
それは、本物の音楽には及ばない「音楽的な何か」なのでしょうが――
僕は、本物の音楽を扱えないので――
たぶん、それで十分に満足してしまっているのですね。
音楽好きの人の気持ちは――
たぶん僕なりに、だいぶ、わかっているような気がします。