一つの仕事を――
長い時間をかけてじっくりやるのが得意な人と――
短い時間でパパっと終えてしまうのが得意な人とがいて――
一概に、
――どちらがいいか。
ということは問えないと思うのです。
長い時間をかけてやるのがふさわしい仕事があれば――
短い時間で終えてしまうのがふさわしい仕事もあるでしょう。
同じ仕事でも――
長い時間をかけてやればいいというものではなかったり、短い時間で終えてしまえばいいというものでもなかったり――
結局は、その仕事に取りかかる人物の能力や気質によるのですよね。
例えば――
長い時間をかけてやる人は、一進一退にへこたれない人でしょう。
三歩進んで二歩下がるの苦痛が気にならない人――
これに対し――
短い時間で終えてしまう人は、情に惑わされずに済む人でしょう。
つねに冷静で合理的な損得勘定に徹せられる人――
どちらの人物のほうが好ましいのか――
という議論にはなりません。
どちらの人物にも、得がたい能力や気質があるのです。
ただ――
もし、どちらもできる人物がいるとすれば――
一つの仕事を、場合によっては長い時間をかけてもやれるし、場合によっては短い時間で終えてしまうこともできる――
もし、そういう人がいれば――
その人は文句なく素晴らしいといえましょう。
まれに――
そんな人をみかけることがあります。
(かなわんな~)
と思います。