「保守」や「革新」は――
きわめて状況依存的な言葉であって――
つまり――
何が保守で何が革新かは、時代や国家に強く影響されるということです。
冷戦期――
アメリカの保守はソビエトの革新となりえましたし――
ソビエトの保守はアメリカの革新となりえました。
状況依存的であるがゆえに――
この言葉は、毒にも薬にもなるのですね。
あるいは、矛にも盾にもなりうる――
例えば、
――あなたは保守だね。
は、ときに「あなた」と名指しされた人物の臓腑をえぐることがあれば――
ときに「あなた」と名指しした人物の矜持を補うこともある――
大切なことは――
その「あなたは保守だね」が、どのような状況で発せられたのかを理解しないうちには――
その言葉の真の意味は決してわからないということです。
しばしば「あなたは保守だね」が穏当な褒め言葉になることもあるのです。