――ピンチはチャンス!
といって――
苦境に陥っている人たちを励ます常套句ですが――
実際には、
――チャンスはピンチ!
でもあります。
つまり、
――大きな損害を被る可能性のある状況では、大きな利益を得る可能性もあり、大きな利益を得る可能性のある状況では、大きな損害を被る可能性もある。
ということです。
なぜ、そうなるのか――
実は、ピンチもチャンスも、状況の変化という観点では、まったく違いがないからです。
状況が変化する――局面が変わる、条件が変わる――
その変化に巧く乗じれば、大きな利益を得ることができ、乗じ損ねれば、大きな利益を取り逃がすだけでなく、大きな損害を被ってしまう――
まったく同様に――
その変化に巧く備えれば、大きな損害を被らずに済み、備え損ねれば、大きな損害を被るだけでなく、大きな利益を取り逃がしてしまう――
だから、
――チャンスはピンチ! ピンチはチャンス!
なのです。
状況の変化を肯定的にとらえれば「チャンス」であり、否定的にとらえれば「ピンチ」である――
それが「ピンチ」か「チャンス」かを決めているのは、本質的には人間の主観的視点である――
そういうことです。
見方を変えれば――
状況の変化に対応する能力には、甚大な個人差がある――
ということなのだろうと思います。