明示されない概念は――
共有されえません。
例えば、ある組織の中で――
その組織の構成員が守るべき規則や目標は概念の一種といえますが――
これら規則や目標を全構成員で共有するには、それら規則や目標が明示されていなければなりません。
明示の仕方には色々あります。
最も一般的な明示の仕方は、言葉によるものでしょう。
ときには、図や画などによる明示も有効であろうと思います。
裏を返すと――
共有される必要のない概念は――
明示される必要はありません。
例えば、ある組織の中で――
ある構成員が自分自身に課す“自分ルール”は、明示する必要がありません。
あるいは――
自分自身が密かに達成したいと思う“陰の目標”は、明示する必要がありません。
会社の朝礼などで“自分ルール”や“陰の目標”を宣言させられることがある――
という話をたまに耳にしますが――
こうした開陳は、社員同士の親睦を深める以外には、無意味といってよいでしょう。
例えば、
――朝、会社に来たら、どんな人にも笑顔で挨拶をします。
ということを会社の朝礼で宣言する意味は、ほとんどないといってよい――
もし、こうした主旨で何か意味のある宣言をするならば、
――「朝、会社に来たら、全社員が互いに笑顔で挨拶をする」ということを社内ルールにするのが良いと思っています。
というのが、よいのです。