「友情」と「打算」とは――
よくセットにして議論されるようですね。
――打算が皆無の友情などは、ありえない。
とか、
――打算のない友情こそが、真の友情である。
とか――
理想論はともかく、現実論としては――
「友情」と「打算」とを厳密に区別をすることは難しい、と――
僕は考えています。
打算の介在しない友情というのが、もし仮に、成立しえたとしても――
本当に「打算が介在していない」ということを立証することは不可能です――人の主観の根幹に関わることなので――
ただ――
一つだけ手がかりとなりそうなことがある、と――
いいます。
それは――
当事者の言葉です。
ある人が、
――Aさんと私との関係は友情ではない。打算だよ。
といったならば――
その人は、打算よりも友情のほうを強く意識している可能性が高い――
なぜならば――
もし、友情よりも打算のほうを強く意識していれば――
まったく黙っているか――
あるいは――
正反対のことを口にするであろうから、と――
――Aさんと私との関係は打算ではない。友情だよ。
と――
それが――
人の心のクセである、と――
……
……
皆さんは、いかが思われますか。