エリート銀行マンが酔ってタクシー代を踏み倒し、出世の道を閉ざされた――
という話を聞きました。
――人生、登りつめるには長い時間を要するが、転落するのは一瞬だ。
などといいますが――
まさに――
その典型の話です。
ところで――
*
僕は、同じ人生の“転落”にも2種類あると思っています。
――いかにも“転落”しそうな局面での“転落”
と、
――まず“転落”しそうにない局面での“転落”
との2種類です。
いかにも“転落”をしそうな局面に寄っていって“転落”をしたのなら――
それは、自業自得です。
また――
いかにも“転落”をしそうな局面の危険性をよくわかっていなかったのなら――
それは、生き抜くのに必要な感性や能力を欠いていたということです。
そのような感性や能力を十分に備えた人の多くが、
――大丈夫! ここでなら、まず“転落”はしない。
と思うような局面で“転落”をしたのなら――
それは、もう――
どうしようもありません。
人生の不条理と思って諦めるしかないでしょう。
さて――
冒頭のエリート銀行マンの“転落”は、どちらだったでしょうか。
もちろん――
僕らに真相は決してわかりませんが――
それを明らかにする鍵は、
――酒の飲み方
にあります。
その日どのように酒を飲んでいたのか――あるいは、日頃どのように酒を飲んでいたのか――です。