マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

幸せな人生を過ごすセンス

 世の中には――
 失敗続きで周囲を心配させながらも――
 老年期まで、それなりに幸せな人生を過ごせる人と――
 失敗知らずで周囲から期待されながらも――
 青年期に早々と取り返しのつかない失敗をし、幸せな人生を過ごせない人と――
 がいます

 幸せな人生を過ごせない人の中には――
 そのまま人生を終える人や終えざるをえなくなる人もいます。

 そういう2種類の人たちを見比べてみると――
 世の中の不条理を思わずにはいられません。

 この不条理は何に由来するのか――

 ……

 ……

 ――運・不運

 とみる向きがあります。

 たしかに、その通りではあるのですが――

 僕は――
 それだけで説明をするのは良くないと思っています。

 ……

 ……

 幸せな人生を過ごすためには、

 ――センス

 がいる、と――
 僕は考えているのです。

 取り返しのつく失敗と取り返しのつかない失敗とを確実に見分けるセンスです。

 取り返しがつく失敗なら、いくらでもしてよいのですよね。

 むしろ――
 失敗を何回も繰り返すほうが、多くのことを学べる分――
 長い目でみたら、より幸せになれるでしょう。

 が――
 そうした失敗に混じって――
 つい、うっかり取り返しのつかない失敗をしてしまえば――

 幸せは永遠につかめません。

 つまり――
 幸せな人生を過ごすには――
 取り返しのつかない失敗の危険性を事前に感じ取る直感と――
 そうした危険性を孕む挑みや試みは、可能な限り回避する意思と――
 が必要なのです。

 これら“直感”と“意思”とのうち――
“意思”のほうは、たぶん教養ですが――

“直感”はセンス――先天的な感性です。

 後天的な努力では――
 どうしようもないところがあります。

 よって――
 先ほど述べた不条理は、少なくとも表層的には、運・不運の問題ですが――

 それだけで片づけようとすると――
 深層にある本質を見失います。