マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

舞台を広くして

 物語は、

  1)舞台
  2)人物
  3)展開

 の3つの要素に分解できるといわれます。

 これら要素のうち――
 1)舞台を狭くして、2)人物らをそこに密集させると、3)展開が面白くなる――
 という傾向があるようです。

 例えば――
 狭い城塞に閉じこもって戦う話とか――
 隔離された船内での事件の話とか――
 学校や職場の日常での恋の話とか――

 そういう話のほうが、断然、面白くなりやすいのです。

 それゆえに――
 昨今は、小説でもマンガでも映画でも、1)舞台の狭い物語が目立っています。

 が――

 僕は、
(それは、なんか違うんじゃないか)
 と思っています。

 1)舞台を広くして、3)人物らをそこに散在させ、それでもなお、3)展開が面白くなるような物語こそが――
 本物ではないか、と――

 実際――
 古典の名作の多くは、そうなっていませんかね。

 例えば、『三国志演義』などは、その典型でしょう。