決断は――
結果に責任を負える者が――あるいは、責任を負おうとする者が――下すものです。
事案が個人のものであれば――
ここに乖離は生まれません。
決断を下した者が、否応なく、責任を負うことになる――
が――
事案が組織のものであれば――
ここに重大な乖離が生まれえます。
好例は――
トップが数年単位で入れかわるような組織です。
今、決断を下しても――
結果が出るのは10年後――
そういう場合には、トップの下す決断は、どうしても甘くなります。
トップが数年単位で入れかわるようなことのない組織では――
たとえ、どんなに酷い組織であったとしても――どんなに非効率的で、非人道的で、滅茶苦茶な組織であったとしても――
肝心なところでは――
意外に正しい決断が下されるものです。
ここでいう「正しい決断」とは、
――その組織を存続せしめる決断
あるいは、
――その組織を瓦解させない決断
です。