止まっている表情と動いている表情とでは――
まったく別人にみえることがあります。
例えば――
ふだん、静止画で止まっている表情ばかりみせているモデルさんが――
たまに、動画で動いている表情をみせていると――
(同じ人の顔にはみえないな)
と感じることがあります。
いったい、どちらの顔が正確なのか――
……
……
動画は多数の静止画の連続です。
よって――
静止画よりも動画のほうが、桁違いに多くの情報を含んでいると考えられます。
つまり――
動画でみる表情のほうが、静止画でみる表情よりも数段、正確であるはずです。
が――
しばしば――
静止画のほうが動画よりも正確にみえるのですよね。
(そうそう、この写真! この表情! これこそ、この人らしい本当の表情だ)
というふうに――
……
……
思い返してみると――
僕らは――
人の顔を静止画で記憶しています。
動画で記憶しているということは、たぶん、ほとんどない――
つまり――
僕らは、そんなに正確ではない情報で――
人の顔を記憶していることになります。
自分の記憶に合致するかどうかと、情報として正確かどうかとは――
きっと本質的には関係がない話なのでしょうね。