日本人なのに英語の綴(つづ)りを正確に覚えている人がいますね。
少なからずいます。
なぜ、あんなに正確に覚えられるのか――
僕には不思議です。
僕は、中学生の頃から綴りを覚えるのが苦手でして、
(だいたい、こんな感じ――)
という曖昧な覚え方がせいぜいです。
綴りの中ほどの「e」や「a」や「u」や「o」を取りかえてしまったり、「s」を「ss」と間違えてしまったり、「ti」を「si」と間違えたりすることもあります。
ですから――
何らかの理由で英文を書かなくてはならないときには、必ず辞書を手元に置いておきます。
日本人なのに英語の綴りを正確に覚えている人は――
そういうときであっても――
辞書を手元に引き寄せることなく、
――さらさら
と、流麗に書きつけたりしています。
すごいですね。
僕には、神業に思えます。
ただし――
そういう人が、ひと度、英語で喋り出すと、ものすごく日本語訛りの強かったりすることがあります。
しかも――
なかなか思うように言葉が出てこず、ごく簡単な言葉で雑談を続けることもできない――
というように――
そういう様子を目の当たりにすると、
(ああ、やっぱり人には向き不向きがあるんだな)
と納得させられます。