マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

世界は作るもの

 英語に、

 ――It takes all kinds.

 という表現があるそうですね。
 アメリカ人の若い男性が教えてくれました。
 直訳すると、

 ――それは、あらゆることを取る。

 となります。
「それ」というのは、

 ――世界のことですよ。

 と、男性は教えてくれました。
 つまり、「It takes all kinds」で、

 ――世界には、あらゆることが要る。

 といっているのです。
 意訳すれば、

 ――しょうがない。

 とでもなりましょうか。

 どういうことかといいますと――
 一見、害悪なものや無意味なものであっても、世界は、それらを必要としている――
 よって、それらを取り除くことはできない――
 よって、どうしようもない――
 そういう意味での「しょうがない」なのですね。

(面白い!)
 と思って、家に帰り――
 さっそく手元の辞書(ジーニアス英和辞典・第3版)で調べたところ――
 該当する記載内容は、ちょっと意外なものでした。

 ――It takes all kinds (to make a world).

 とあったのですね。

 いわゆる「to不定詞」が文の後半にあるので――
 文頭の「It」は仮主語というヤツでしょう。

 つまり、

 ――「to make a world」が「all kinds」を「take」する。

 と解釈できます。
 よって、意味は、

 ――世界を作るには、あらゆることが要る。

 となります。

 思わず、
(え? 世界を作っちゃうの?)
 と、テンネンで戸惑ってしまいましたよ(笑

 日本人にとっては――
 世界は作るものではないですよね。

 そこにあるものです。

 が――
 英語を母語とする人々にとっては――
 世界は作るものなのですね。

 もちろん、「make a world」に言葉面通りの意味は、ほとんどないのかもしれませんがね。