紅葉の季節になりました。
知人の何人かから、
――今年も見物に行ってきたよ。
との話をききました。
わざわざ山里に足を運ばなくても、木々の葉の色合いが少しずつ変わっていくのが、わかります。
緑に赤や黄が混じり始めて――
そのうちに赤や黄が増え、緑が目立たなくなっていきます。
子供の頃は――
緑に赤や黄が混じっているのをみるのが、好きではありませんでした。
(汚い)
と思っていたのですね。
それが、今は
(悪くないな)
と思うようになっています。
(意外と調和がとれてるじゃないか)
と――
色彩に対する感覚が変わってきたからでしょうか。
それとも――
いくらか人生経験を積んだことで、山里の木々の葉の色合いが移ろっていくことに多少の情感を込められるようになったからでしょうか。
よくはわかりませんが――
以前は「汚い」と感じていたものが、違ったふうに感じられてきたと自覚できるのは嬉しいことですね。
何だか得をしたような気分です。