マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

「ラディカル」というのは

 先年――
 あるシンポジウムに聴衆の一人として参加したときに――
 質疑応答の時間で私見を述べたところ、

 ――あなたの意見はラディカルだ。

 といわれたことがあるのです。

「ラディカル」というのは、英語の、

 ―― radical

 です。

 この言葉は、日本語に訳されると「急進的な」とか「過激な」となることが多いのですが――
 それでは、ちょっと悪い意味ですよね。

 ところが――
 英英辞典を引きますと、

 ―― very new and different

 のように記されている――

 つまり、

 ――とても新しくて違っている

 あるいは、

 ――とても斬新な

 くらいの意味なのです。

(おや。そんなに悪い意味じゃない……)

 以後、僕は、この言葉をわりと好んで使っているのですが――
 やはり、「急進的な」とか「過激な」という訳語が頭を離れないのですね。

 とっさに言い訳をしてしまいます。

 ――「ラディカル」というのは、決して悪い意味で申し上げているのではないのですよ。

 と――

 その辺が歯がゆいのです。

  radical = とても斬新な

 では、ダメなのですかね。