――心に孤独を持て。
という言葉を誰から伺ったか――
今では定かではないのですが――
たぶん男性の作家さん――僕より20~30歳くらい年上の――だったかと記憶しております。
この場合の「孤独」とは――
自分自身と対峙をする時間のことです。
自分自身の気持ちや心の奥底に潜む望みや恐れをあますところなく把握することで、自分自身の有りさまをみつめ――
その有りさまを目の当たりにしてなお怯まずに、それを受け入れて生きていく覚悟を研ぎ澄ませていく時間のことです。
こうした時間を持つことで――
人は、何のために生きていくのかを悟ったり、あるいは、そんなことは考えずに生きていこうと決めたりするのですね。
こうした時間を持たないと――
人は、何となく生きていくことになるでしょう。
もしかすると、自分が生きているということにすら、ちゃんとは気づかずに――
ただ目の前のことに流されながら生きていく――
そういうことになるでしょう。