――不戦の願い
を、
――戦いの物語
に込めようとする人たちは――
決して少なくありません。
ふつうに考えれば、
(そんなことが可能なの?)
と疑問に思われるところですが――
この疑問を疑問と思わずに受け入れている人たちは――
決して少なくないようです。
例えば――
大勢の人たちが殺しあうような物語の中で、
――人殺しは良くないこと――
と本気で訴えている人たちがいたりします。
(しょうがないのかな)
と思います。
というのは――
誰ひとり殺しあわないような物語の中で、「人殺しはよくないこと――」と訴えることによって――
果たして、どれだけの人たちの心を動かせるものでしょうか。
……
……
とはいうものの――
「不戦の願い」を「戦いの物語」に込めようとする者は――
この深刻な矛盾に、一度は向き合う必要があるでしょう。