マル太の『道草日記』

ほぼ毎日更新――

常に具体的な表現も添えないと

 抽象的な表現というのは――
 それを使う方は、それが暗示している具体例が頭をよぎっているので、なんの躊躇もなく使ってしまうのですが――
 使われた方は、その具体例が、少なくとも最初は皆目わからないので、
 
 ――なんだ?
 
 と戸惑うことになるのですね。
 
 ですから――
 抽象的な表現をするときには――
 常に具体的な表現も添えないといけません。
 
 例えば、
 
 ――危機管理は、常に最悪の事態を想定してなされる。
 
 というのは、抽象的な表現であり、
 
 ――いつマグニチュード9クラスの大地震が起きても対応できるように、毎月、全国に散らばる支社間で簡潔なメールによる連携を欠かさない。
 
 というのは、具体的な表現です。
 
 ……
 
 ……
 
 でも――
 
 人は、ついつい面倒くさくなって――
 具体的な表現を省いてしまうのですよね。