風刺が人々に許され、喜ばれる上で何よりも大切なのは――
品格です。
上品さ――
品の良さ――
これがないと――
風刺は、人々の興味・関心を集めないばかりか、かえって嫌悪感を集めてしまいます。
風刺というのは――
基本的には、誰かを――たいていは、強い権力や多くの財産をもっている人たちを――あえて公に揶揄する行為です。
あえて公に揶揄するという行為自体――
すでに品を欠いています。
よって――
それ以外の部分――“誰かを揶揄する”という行為の中核の周辺の部分――に、十分な品格を備えている必要があるのです。
とはいえ――
……
……
いうは易く、行うは難し――
です。
上手に揶揄することを意識するあまり、うっかり品を欠いてしまう――
ということの、多いこと、多いこと――
おそらく――
優れた風刺には天賦のバランス感覚が要ります。