優れた組織のトップにある人は――
少なくとも理念的には――
2種類に分けられます。
自分が率先して発案をし、行動に移すタイプと――
配下に発案をさせ、行動に移させるタイプとです。
前者は、自分自身が才知や実行力に秀でていることが必要で――
後者は、才知や実行力に秀でた配下に慕われていることが必要です。
もちろん――
現実には、前者・後者のいずれかのタイプに完全に該当することは稀であって――
多くの優れた組織のトップは、両者の中間に位置していると考えられますが――
とはいえ――
優れた組織のトップが巷間で広く評価される際には――
前者・後者のいずれかのタイプとして評価されることが、ほとんどであろうと思います。
――あの社長は中間に位置してるから、いいよね。
と褒められることは、まずないといってよい――
よって――
組織のトップを目指す人は――
まず――
自分が率先して発案をし、行動に移すタイプか――
配下に発案をさせ、行動に移させるタイプかを――
選ぶ必要あります。
どちらかを明確に選んだ上で――
それでも、なお――
自分が選ばなかったほうのタイプも適度に取り込んでいく――
そういう微妙なバランス感覚が――
組織のトップを目指す人には、必要になってきます。
そうしなければ――
自分の配下にどういう人材を置けばよいのかで――
逡巡するからです。
当たり前ですが――
自分が率先して発案をし、行動に移すタイプの配下に適した人材と――
配下に発案をさせ、行動に移させるタイプの配下に適した人材とでは――
資質がまったく異なります。