2007-01-01から1年間の記事一覧
人の気持ちを推し量るには想像力が大切だといわれる。 間違いではないと思うが―― それだけではダメであろう。 例えば、いつも他人から指示されるほうが楽だと感じている人が、よかれと思って誰かに指示を出すことなどは―― 容易にトラブルへと発展しうる。 皆…
筆名は小説のタイトルの一部だと、僕は考えている。 読者は、小説のおおよその内容を、筆名から推し量るものだと―― 筆名と内容とがミスマッチだと、読者としては、いまひとつ乗り気がしないように思う。 例えば、「稲村作左衛門」のような筆名で、パリジェン…
過去の『道草日記』を読み返してみると、(あり?) と思うことがある。(なんで、こんなこと書いたんだろ?) ということだ。 その背景が、まるでみえてこない。 わけのわからぬ雑文となっている。『道草日記』を今の形式(Yahoo! のジオログ)に変えてから…
――人間に自由意志はあるのか? という問題は―― 主に西欧の哲学者や脳科学者たちにとっては避けて通れぬものらしい。 彼らは、この問題を、しばしば好んで取り上げる。(何がそんなに面白いのかな) と思う。 実は、10代の頃は、僕も面白いと思っていたのだが…
近年、うつ病が増えているのだという。 とくに30代、40代の働き盛りに増えているそうだ。 実は、(ホントかな?) と思っている。(「うつ状態が増えている」の間違えでしょ) と―― うつ病とうつ状態とは区別したほうがよい。「うつ状態」とは、単に「落ち込…
女性の顔立ちは、時と場合とによって、全くイメージが変わってしまう。 とくに若い女性ほど、そういう傾向にあると思う。 もちろん、以上は男の視点でみた場合のことだ。 女性の視点では、また違った見解になるのかもしれない。 それは、ともかく―― 男からみ…
小説以外の文章を書いていて時々、(ああ、これはマズい、マズい――) と慌てて消すことがある。 たいていは背徳的で不謹慎な表現である。 そういうときに―― ふと疑問に思うことがある。(じゃあ、小説なら本当に許されるのか?) と―― これは微妙な問題だと…
僕は文章を書くのが好きなのだが―― 眠いときというのは、なかなか書く気になれない。(もう、どうでもいいよ!) と、投げやりになってしまう。 でも―― ――ダ~! っと寝て、 ――ガバッ! と起きると、また書く気になれるから不思議だ。 やはり、眠気が書く気…
おととい辺りから下痢が止まらなく困っている。 どうも理由がわからない。 いつもなら、(あ、昨日食べたアレが原因か?) と、すぐに察しがつくものなのだが……。 もしかして、ストレス性? う~む。 ストレスで胃腸症状が出るというのは、医学的には、そん…
高校生に英語を教えていて、いつも思うのだが―― 英語らしい美しい発音というのは、日本人の高校生にとっては、どうでもよいと思う。 もちろん、アメリカ人などと英語で話をするときには、そうもいってはいられない。 多少は英語らしい発音でないと、全然、通…
いつも『道草日記』をご覧いただき、ありがとうございます。 * さて―― 今日は、ちょっと事情がありまして、『道草日記』はお休みです。 最近は、ほとんどお休みしていなかったのですが―― 今日ばかりは、ちょっと無理でした。 いわゆる、 ――多忙 というヤツ…
ちょっと所用があって―― 昨日の午後から東京にいて―― 今日の午後に仙台に戻ってきた。 で―― 仙台行きの新幹線に乗る前に、上野駅のベンチで時間を待っていたら―― 60代くらいの女性が二人、近寄ってきた。 僕はベンチの中央のほうに座っていたので、その女性…
人は―― たとえ、どんなに真面目に生きていたとしても、一度くらいは、 ――自分の人生なんて下らない。 などと思ってしまうものではないか。 これは―― もう―― 原理的に仕方のないことである。「人生」というと、何だか凄く高尚な概念のように思えるわけだが―― …
秋が深まってきた。 今年は残暑が長引き、秋の到来は遅れたようだが―― ここにきて、宮城の野山は次第に色づき始めている。 * 紅葉には、実は、あまり思い入れがない。 桜とは大違いである。 僕は、春の桜には、わりと夢中になるほうだが―― 秋の葉の色づきに…
誰かと一緒にいようとすると、その誰かと傷つけ合ってしまう―― 共生と自立とは両立しがたい、という話だ。 ヤマアラシのジレンマを思って頂きたい。 寒さに震える2匹のヤマアラシが身を寄せ合おうとすると、互いの針で傷つけ合ってしまう――そういうことであ…
ある男女がいて―― 男は作家であり―― 女に一目惚れをし、結婚を申し込んだ。 女は、男を何とも思っていなかった。 が、とくにイヤなわけでもなかったので、(まあ、この人でもいいか) と思い、結婚に同意した。 その後―― 夫は、自分たちをモデルに、恋愛小説…
タクシーに乗って、運転手さんと、なんということはない話をしていたら―― ずいぶん晴れやかな気分になった。「話」というのは、中身のある話ではない。 ただのお喋りである。 だいたい―― その運転手さんとは初対面であったし―― 今後も対面する可能性は、ほと…
現代の日本人なら誰しも―― 夕暮れ時に、電柱を見上げたことがあると思う。 淡く陰った水色の空を背景に―― 黒色の電柱が、変圧器を要に、四方へ無数の電線を伸ばすシルエットは―― お世辞にも洗練された図柄とはいえぬけれども―― 独特の美が感じられる。 が、…
人間とは何かと訊かれたら、 ――予測できぬもの と答えるであろう。 目の前の人間が、明日に、どうなっているかは―― 実は全くわからない。 どのように感じ、考え、動くのかは―― 実に全くもって予測不可能である。 もちろん、予測できぬものは人間だけではない…
自分の心を満たすことは、必ずしも自分のためだけではない。 心が満たされることで、自分の周囲に気を配れるだけの余裕が生まれる。 ――情は人のためならず。 などといわれるが、 ――欲は己のためならず。 という言い方も、ありかもしれない。 欲望を持つこと…
物語というのは、おそらく、どの2つをとっても、決して同じではあってはならぬのだと思う。 例えば、同じ小説を10度も読むのは、極めて稀な読者だ。 また、同じ映画を10度もみれば映画監督になれる、などといわれるくらいである。 似ているのは構わない。 い…
30代になってからというもの―― 僕は―― 自分が、何と幸せな国の、何と幸せな時代に生まれたものか、と―― 深く感じ入ることが多い。 こういうと、妙に優等生的イヤらしさが滲み出て、すごく気分が悪いのだが―― でも―― 本当に、そう思うのだから、どうしようも…
――物いえば唇寒し。 などという。 もとは松尾芭蕉の句「物いえば唇寒し秋の風」であるらしい。 僕は、この言葉が、どうにも好きになれずに、(そんなこといって黙ってたりすると、かえって大変なことになるんだよ!) などと考えたりする。 が―― 口は災いの…
毎日を少しでも楽しく生きようと思ったなら―― 日々の変化に気づく感性を磨くのがよい。 日々の変化には、劇的な変化もあれば、僅かな変化もある。 劇的な変化は、誰もが、嫌でも気づくものだが―― その分、苦痛な体験であることが多い。 ヒトに限らず、およそ…
プロ野球の東京ヤクルト・スワローズが、セントラル・リーグの最下位に確定したそうである。 21年ぶりのことという。 * ――21年ぶり というところに、目を見張った。 僕だけはあるまい。 80年代のプロ野球をみている人たちにとっては―― とりわけ、僕と同世代…
踊りが人の目を楽しませてくれるのは―― 例えば、人形が人の目を楽しませることに通じていると考えている。 踊りを一言で表すならば、 ――人の意識によって意匠された動作の連なり といった感じになろう。 この「動作の連なり」は、人体を人工的に制御すること…
久しぶりに仙台の街を歩いた。 30分くらいである。 何も考えずに、ただひたすらに、のんびりと歩いた。 リラックスすることだけを考えるなら―― のんびりに限る。 そうやって歩くと―― 色々なことを思う。 時折―― 遠い過去の一幕が思い出される。 * 中学生の…
最近の僕は、この『道草日記』に、自分の日常の情景を、ほとんど書いていない。 なぜ書いていないのかといえば―― ちょっと話が長くなる。 * 実は最近―― 一人で過ごす時間が、ずいぶんと少なくなってしまったのだ。 日常の情景というものは、一人で過ごさぬ…
医学では、 ――物語として美しい説明は、頭から疑ってかかれ。 という鉄則がある。 例えば、ある症状Sを抱えている患者が、ある薬Dを飲んだら、症状がなくなったとする。 このときに、 ――薬Dは症状Sに効いた。 という説明は、物語としては美しい。 が、この説…
例えば、晴れた日の夜に満天の星空を見上げると―― 自分という存在を、自然との関係性で理解したくなる。 通常は、そのようには理解していない。 あくまで、他者たちという諸存在との関係性で理解している。 つまり、「自分」というのは「社会的な自分」とい…